姫路女学院2022年度1年生アセスメントレポート

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姫路女学院中学校二年目が終わる

新設中学校である姫路女学院中学校にて、演劇教育の授業を行うようになってから二年目が終わりました。新たに一年生のアセスメントシートも集計ができましたので、そちらを報告いたします。

二学年二作品の演劇発表会

若草物語
若草物語
若草物語
若草物語
小公女
小公女
小公女
小公女

 

一年生は昨年同様「小公女」を。二年生は新作「若草物語」を上演いたしました。12月から取り組んできて、2月に発表会を執り行いました。高校生全員が見守る中、約30分の作品を全員で上演しました。講評でもとても褒められていました。

昨年一学年だけでも大変だった発表会ですが、今回は一年生は同じ演目ですし、かなり勝手もわかってきたので、割とスムーズに進んでいきました。二年生の若草物語は二部構成で、AチームBチームと分かれて行いました。お互いに助け合いながら、無事上演を終えることが出来ました。どちらもいい発表になったと思います。

 

1年生アセスメント

一年次の最初と最後にアセスメントシートを記入してもらっています。GLODEAは全30項目にわたる人間力を評価項目としています。

演劇教育マップ

【アセスメントシート】

現状の自己評価を1(自信がない)2(あまり自信がない)3(普通)4(まぁまぁ自信がある)5(自信がある)のいずれかに〇をつけ、演劇の授業で学んだことが生活(学校、家庭など)においてどの程度役だったか、下段の3つから一つを選んで〇で囲んでください。

人と関わる力
多角的思考力 考えるとき、一つの物事を、色々な見方でとらえることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.5

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

問題解決能力

 

問題を発見し、解決に向けて考えたり行動を起こしたりすることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.6

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

共感 相手の立場に立って、気持ちを理解することができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均4.0

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

傾聴力

 

他の人の話をよく聴き、言いたいことを理解することができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.9

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

協調性

 

みんなと協力し、団結して活動ができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均4.3

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

自発性 自分から行動したり、意見を言ったりすることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.9

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

社交性

 

どんな人とも話をすることができ、打ち解けることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.3

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

関係構築力 目標に向けて、他の人と協力することができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均4.0

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

リーダーシップ

 

積極的にリーダーになり、みんなをまとめることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.0

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

臨機応変力

 

予想外のことが起こっても、柔軟に対応することができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.3

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

 

 

人に伝える力
対話力

 

1対1で話している相手に、自分の思っていることを伝えることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.8

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

会話力

 

集団で話しているときに、バランスよく発言したり聞いたりすることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.5

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

説明力 人にわかりやすく説明することができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均2.9

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

 

みんなが聞きやすく、はっきりと聞こえる声を出すことができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.6

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

想像力

 

想像することが得意で、独自のアイディアを思いつくことができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.1

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

柔軟性 柔軟に物事を考え、うまくいかなくても他の方法を考えることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均2.9

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

身体表現

 

身振り手振りなど身体を使って、自己表現することができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.9

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

表情 表情を豊かに出すことができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.5

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

感情

 

感情が豊かで、気持ちを表情や動作などに出すことができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.4

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

エネルギー

 

熱意をこめて、人に自分のやりたいことや思いを伝えることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.9

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

 

 

心と個性
挑戦精神

 

難しいと思えることや、初めてのことでも挑戦することができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.6

変わらなかった ・ 少し役に立った5 ・大いに役に立った

集中力

 

やると決めたことは、集中して取り組むことができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.9

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

誠実 ウソをついたり、自分をだましたりすることなく、正直でいることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.4

変わらなかった ・ 少し役に立った5 ・大いに役に立った

自制心

 

思い通りにならないことがあっても、落ち着いていることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.5

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

意志

 

やると決めたことは最後までやりとげることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.8

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

忍耐力 粘り強く取り組み、トライし続けることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.6

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

好奇心

 

いろいろなことに興味を持って、探求することができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.8

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

感受性 オープンな気持ちで、自然や人を感じることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.6

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

ポジティブ思考

 

何が起きても、前向きに気持ちを切りかえることができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均3.5

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

自信

 

自分に自信をもって物事に取り組むことができる。

1――――2――――3――――4――――5 平均4.0

変わらなかった ・ 少し役に立った ・大いに役に立った

 

このような結果となりました。非常に高い数値が出ています。昨年のものはこちら
昨年と比べると、スキルの満足度も非常に高く(だいたい0.5前後高い)、少し役に立った・大いに役に立ったと答える率も非常に高かったです。
その要因としては、①昨年は内気で消極的な生徒が多かった ②今年は昨年の半分の人数だった
とことが考えられます。

2022年度の一年生は、人数が少なかったものの、明るく仲間意識が強かったため、最初から自己肯定感が高かったように思います。そのため、演劇の授業も前向けに受けており、「変わらなかった」と答える生徒が激減しました。
昨年は、目立つ生徒と目立たない生徒の差が大きく、友だち関係にも派閥があり、内気で大人しい子が半数以上だったので、自己評価でつけるアセスメントシートも、評価が低くなりがちだといえるでしょう。外から見ていると、変化は感じられますが、本人がどう感じるかは、自己肯定感と関わってきます。変化や改善は見られるけれど、本人評価が低いという現象が見られるでしょう。
単純に人数が半分だったために、一人ひとりに「見てもらっている」という安心感があったり、一人当たりの実践する時間が多かったということも要因でしょう。

三年目

そして、2023年度より、新たな一年生が入学し、一年生から三年生までの三学年となりました。
一年生は全般的な人間力を楽しく伸ばし、特にコミュニケーションに力を入れています。
二年生もシアターゲームやインプロで人間力を伸ばすのですが、リーダーシップやプレゼンテーションにも力を入れています。
三年生は、課題解決能力や創造性を更に伸ばすために、フォーラムシアターや映画制作といった生徒主体のプロジェクトが多くなります。

今年より、一年生の授業はおおむねマスタープログラムの御法川万葉に引き継いでもらい、ぼくは二年生と三年生を教えていきます。(独りで三学年は物理的にできないのです)

プログラムの熟成

姫路女学院は1回4コマ(合計200分)が全10回+発表会。これが二学年分出来上がりました。
プログラムは再現性があり、現在マスター講師(プロ演劇教育家)の育成に努めているため、他の学校でも実施が可能になります。日本最高峰の演劇教育プログラムを導入したい場合は、事務局までご相談下さい。