姫路女学院中学校二年目が終わる
新設中学校である姫路女学院中学校にて、演劇教育の授業を行うようになってから二年目が終わりました。新たに一年生のアセスメントシートも集計ができましたので、そちらを報告いたします。
二学年二作品の演劇発表会




一年生は昨年同様「小公女」を。二年生は新作「若草物語」を上演いたしました。12月から取り組んできて、2月に発表会を執り行いました。高校生全員が見守る中、約30分の作品を全員で上演しました。講評でもとても褒められていました。
昨年一学年だけでも大変だった発表会ですが、今回は一年生は同じ演目ですし、かなり勝手もわかってきたので、割とスムーズに進んでいきました。二年生の若草物語は二部構成で、AチームBチームと分かれて行いました。お互いに助け合いながら、無事上演を終えることが出来ました。どちらもいい発表になったと思います。
1年生アセスメント
一年次の最初と最後にアセスメントシートを記入してもらっています。GLODEAは全30項目にわたる人間力を評価項目としています。
【アセスメントシート】
現状の自己評価を1(自信がない)2(あまり自信がない)3(普通)4(まぁまぁ自信がある)5(自信がある)のいずれかに〇をつけ、演劇の授業で学んだことが生活(学校、家庭など)においてどの程度役だったか、下段の3つから一つを選んで〇で囲んでください。
人と関わる力 | |
多角的思考力 | 考えるとき、一つの物事を、色々な見方でとらえることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.5 変わらなかった0 ・ 少し役に立った6 ・大いに役に立った2 |
問題解決能力
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問題を発見し、解決に向けて考えたり行動を起こしたりすることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.6 変わらなかった0 ・ 少し役に立った7 ・大いに役に立った1 |
共感 | 相手の立場に立って、気持ちを理解することができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均4.0 変わらなかった0 ・ 少し役に立った5 ・大いに役に立った3 |
傾聴力
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他の人の話をよく聴き、言いたいことを理解することができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.9 変わらなかった0 ・ 少し役に立った6 ・大いに役に立った2 |
協調性
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みんなと協力し、団結して活動ができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均4.3 変わらなかった0 ・ 少し役に立った4 ・大いに役に立った4 |
自発性 | 自分から行動したり、意見を言ったりすることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.9 変わらなかった1 ・ 少し役に立った4 ・大いに役に立った3 |
社交性
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どんな人とも話をすることができ、打ち解けることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.3 変わらなかった2 ・ 少し役に立った3 ・大いに役に立った3 |
関係構築力 | 目標に向けて、他の人と協力することができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均4.0 変わらなかった1 ・ 少し役に立った4 ・大いに役に立った3 |
リーダーシップ
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積極的にリーダーになり、みんなをまとめることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.0 変わらなかった1 ・ 少し役に立った7 ・大いに役に立った0 |
臨機応変力
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予想外のことが起こっても、柔軟に対応することができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.3 変わらなかった2 ・ 少し役に立った5 ・大いに役に立った1 |
人に伝える力 | |
対話力
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1対1で話している相手に、自分の思っていることを伝えることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.8 変わらなかった1 ・ 少し役に立った5 ・大いに役に立った2 |
会話力
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集団で話しているときに、バランスよく発言したり聞いたりすることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.5 変わらなかった1 ・ 少し役に立った5 ・大いに役に立った2 |
説明力 | 人にわかりやすく説明することができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均2.9 変わらなかった1 ・ 少し役に立った7 ・大いに役に立った0 |
声
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みんなが聞きやすく、はっきりと聞こえる声を出すことができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.6 変わらなかった0 ・ 少し役に立った5 ・大いに役に立った3 |
想像力
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想像することが得意で、独自のアイディアを思いつくことができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.1 変わらなかった1 ・ 少し役に立った4 ・大いに役に立った3 |
柔軟性 | 柔軟に物事を考え、うまくいかなくても他の方法を考えることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均2.9 変わらなかった1 ・ 少し役に立った6 ・大いに役に立った1 |
身体表現
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身振り手振りなど身体を使って、自己表現することができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.9 変わらなかった0 ・ 少し役に立った7 ・大いに役に立った1 |
表情 | 表情を豊かに出すことができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.5 変わらなかった1 ・ 少し役に立った5 ・大いに役に立った2 |
感情
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感情が豊かで、気持ちを表情や動作などに出すことができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.4 変わらなかった1 ・ 少し役に立った6 ・大いに役に立った1 |
エネルギー
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熱意をこめて、人に自分のやりたいことや思いを伝えることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.9 変わらなかった1 ・ 少し役に立った6 ・大いに役に立った1 |
心と個性 | |
挑戦精神
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難しいと思えることや、初めてのことでも挑戦することができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.6 変わらなかった0 ・ 少し役に立った5 ・大いに役に立った3 |
集中力
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やると決めたことは、集中して取り組むことができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.9 変わらなかった0 ・ 少し役に立った5 ・大いに役に立った3 |
誠実 | ウソをついたり、自分をだましたりすることなく、正直でいることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.4 変わらなかった1 ・ 少し役に立った5 ・大いに役に立った2 |
自制心
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思い通りにならないことがあっても、落ち着いていることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.5 変わらなかった1 ・ 少し役に立った5 ・大いに役に立った2 |
意志
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やると決めたことは最後までやりとげることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.8 変わらなかった0 ・ 少し役に立った6 ・大いに役に立った2 |
忍耐力 | 粘り強く取り組み、トライし続けることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.6 変わらなかった0 ・ 少し役に立った8 ・大いに役に立った0 |
好奇心
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いろいろなことに興味を持って、探求することができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.8 変わらなかった1 ・ 少し役に立った5 ・大いに役に立った2 |
感受性 | オープンな気持ちで、自然や人を感じることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.6 変わらなかった0 ・ 少し役に立った7 ・大いに役に立った1 |
ポジティブ思考
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何が起きても、前向きに気持ちを切りかえることができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均3.5 変わらなかった1 ・ 少し役に立った3 ・大いに役に立った3 |
自信
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自分に自信をもって物事に取り組むことができる。
1――――2――――3――――4――――5 平均4.0 変わらなかった1 ・ 少し役に立った3 ・大いに役に立った4 |
このような結果となりました。非常に高い数値が出ています。昨年のものはこちら。
昨年と比べると、スキルの満足度も非常に高く(だいたい0.5前後高い)、少し役に立った・大いに役に立ったと答える率も非常に高かったです。
その要因としては、①昨年は内気で消極的な生徒が多かった ②今年は昨年の半分の人数だった
とことが考えられます。
2022年度の一年生は、人数が少なかったものの、明るく仲間意識が強かったため、最初から自己肯定感が高かったように思います。そのため、演劇の授業も前向けに受けており、「変わらなかった」と答える生徒が激減しました。
昨年は、目立つ生徒と目立たない生徒の差が大きく、友だち関係にも派閥があり、内気で大人しい子が半数以上だったので、自己評価でつけるアセスメントシートも、評価が低くなりがちだといえるでしょう。外から見ていると、変化は感じられますが、本人がどう感じるかは、自己肯定感と関わってきます。変化や改善は見られるけれど、本人評価が低いという現象が見られるでしょう。
単純に人数が半分だったために、一人ひとりに「見てもらっている」という安心感があったり、一人当たりの実践する時間が多かったということも要因でしょう。
三年目
そして、2023年度より、新たな一年生が入学し、一年生から三年生までの三学年となりました。
一年生は全般的な人間力を楽しく伸ばし、特にコミュニケーションに力を入れています。
二年生もシアターゲームやインプロで人間力を伸ばすのですが、リーダーシップやプレゼンテーションにも力を入れています。
三年生は、課題解決能力や創造性を更に伸ばすために、フォーラムシアターや映画制作といった生徒主体のプロジェクトが多くなります。
今年より、一年生の授業はおおむねマスタープログラムの御法川万葉に引き継いでもらい、ぼくは二年生と三年生を教えていきます。(独りで三学年は物理的にできないのです)
プログラムの熟成
姫路女学院は1回4コマ(合計200分)が全10回+発表会。これが二学年分出来上がりました。
プログラムは再現性があり、現在マスター講師(プロ演劇教育家)の育成に努めているため、他の学校でも実施が可能になります。日本最高峰の演劇教育プログラムを導入したい場合は、事務局までご相談下さい。