新聞劇場/Newspaper Theatre

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アウグストボアール(Augusto Boal)が作った手法の一つである。

この手法は、新聞の記事、歴史的なニュースなど演劇とはかかわりのなりものを、舞台表現にまで高めていくものである。わかりやすくイメージするならば、舞台上で、観客にむけてニュース番組するものである。

下記がその手順になる。

①Simple Reading(普通に読む):個人的な考えや主張が入らないように、感情を込めたりせずに、新聞などから取り上げたニュースを読む。

②Crossing Reading(ほかの視点を加えて読む):そのニュースを取り上げた新聞の視点からだけではなく、他の視点を加えるために、同じニュースを扱っている他の新聞や雑誌なども一緒に読む。

③Complementary Reading(補足説明):その新聞では取り上げられていない、情報やデータを加える。

④Rhythmical Reading(リズムにあわせて読む):その新聞では感じられないニュースの本来の雰囲気や情感を感じるために音楽のリズムにあわせて読む。

⑤Parallel Action (ニュースに合わせて行動をする):ニュースの「見える化」を行うために、参加者が、読まれているニュースに合わせて動きや声を加えていく。

例えば、「アメリカ大統領は、日本の首相と終始笑顔で会談し、終わりには熱い握手を交わした。」という記事の場合、参加者二人は、大統領役と首相役に分かれて、記事で読まれた「笑顔で会談している」ところや、「熱い握手をしている」ところを動いたり、話したりして再現する。

⑥Improvisation(即興): ニュースで書かれている内容のだけではなく、書かれていない所も即興で演じてみて、様々な可能性や状況を探る。

先の例を使うと、会談前や会談後どんな会話がなされたのかを即興で演じてみる。このパートには正解はなく、様々な案が出てくると思われる。先生やファシリテーター側が驚くような素晴らしい即興が見られるかもしれないし、くだらないと思うものがあるかもしれないが、安易に良い悪いを決めつけないで受け入れたい。

⑦Historical (過去のニュース):過去において、または他の国で、同じようなニュースがあればさらにその情報を加える。

⑧Reinforcement(補強):テレビで流れるニュースの音楽、スライドショー、フリップなどを加えてニュースらしくしていく。

⑨Concretion of the Abstraction(ニュースの具体化):新聞では曖昧にされている情報を具体化してみる。例えば、「デモの参加者が法案に対して激しく反対しました。」という新聞で書かれていることに対して、動画、写真、演技などを加えて、実際のデモの参加者が何人の規模で、どうやって抗議し、何を言ったかなどを具体的にしていく。

⑩Text out of Context (そのニュースの前後関係を反映したテキスト作成): ニュースの報道の前後関係をみて、そのテキストを作る。このパートでは、ただニュースの一面だけを見て理解をするのではなく、そのニュースに関わる過去の報道と照らし合わせて見ることで、そのニュースの全体像をつかむことができる。

例えば、「知事選挙で、原発反対を訴えているある知事が当選した。実は昔の記事を見るとその人は原発容認派であった。」つまり票獲得のために主張を変えたということが見えてくる。

 

この手法から、参加者はニュースや新聞などから情報を鵜吞みするのではなく、自ら情報を集め、情報を精査し、考える作業が身につけることができる。

【参考文献】

・August Boal Theatre of the Oppressed 1979

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秋江智文
18年間の俳優経歴とイギリス留学経験を活かして、大手塾の人気英語講師として活躍。イギリスでは、Trinity College London level 4 associate diploma in Speech and Dramaを取得し、マイケル・チェーホフメソッドの国際的な講師から指導を受ける。現在は俳優としての活動のほか、演劇を使った社会人のための能力開発や語学力向上のための講座を行っている。一般社団法人日本グローバル演劇教育協会では、運営に関わりながら講師としても活動している。 インターラクティブで活気がある雰囲気、その場だけ満足するStudy「学ぶ」ではなく、人生を変えるLearn「身につける」を体験型のクラスで実践している。参加者一人ひとりのどんな悩みでも聞き、ワークを使って解決、より楽しく前向きに仕事や生活ができるようにサポートしている。

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