代表理事別役慎司の演劇教育への思い

日本グローバル演劇教育協会代表理事別役慎司の演劇教育への思い

Decision

日本グローバル演劇教育協会という社団法人を立ち上げて、日本の演劇教育を変えていこうと決意したのは2016年の夏頃でした。それまで日芸演劇学科、日芸大学院で演劇教育について学んだり、学校を訪問しての観客参加型演劇を行ったりしてきましたし、ロンドン大学留学時には演劇教育の資料もたくさん収集しました。約20年前から蓄積はあったのですが、それでもここにきて、自ら旗を振ってやっていこうと決意したのは、日本の演劇教育の現状を変えていくのはぼくにしかできないと感じたからです。

Drama Education

現在の演劇教育の事情を壊していこうというのではありません。もっと一般の人に認知され、もっと多くの人に率先して取り入れてもらえるよう普及化を進めていきたいのです。もっと風通しをよくし、海外で行われている素晴らしい手法も取り入れていければ素晴らしいと思うのです。そしてなにより、頭でっかちになって理論や実験をこねくり回すのではなく、現場で教育として機能していく必要があります。そのためには良質な情報や効果の高いカリキュラムを提供していかないといけませんし、指導者の育成が絶対条件になります。

Communication Presentation

やれコミュニケーションが問題だ、日本人のプレゼンテーションではグローバルな場では通用しないなどいわれますが、それらに対して「これだ」という答えが提示されていないため、ずっと問題意識だけが保持されているような印象です。「英語をマスターすれば」「外国に行けば」と安易に考える人もいますが、根本的な解決にはなっていません。演劇教育は「これだ」といえる答えになりうるのです。演劇教育はコミュニケーション(人と関わること)とプレゼンテーション(人に伝えること)に特に役に立つ手法です。

Human Skills

そもそもインターネット社会になって、わたしたちの生活には不自然なことが多くなりました。本来顔を合わせて会話していたのが、画面を通して会話するようになり、本来他人の情報はそんなに入ってこなかったのにSNSやNEWSで膨大な情報が入ってくるようになりました。身体も使わなくなり、五感を限定的にしか使わないようになりました。これでは人間力が落ちていきます。わたしたち見直すべきことは、自然に触れることと芸術に触れることです。本来の人間的な自分に戻してくれるものが必要な時代なのです。

Drama = Life

自然が人間力を回復させてくれることはイメージしやすいでしょうが、演劇がなぜ役に立つのでしょうか? それは演劇自体が、五感も使うし、感情も想像力も使うし、身体も使うし、言葉も使うからです。太古の昔から世界中で演劇が行われてきて、一度として滅びたことがないのは、演劇が根源的に人間的だからです。声を出し、会話し、意見を述べ、美しいものを見て、面白いものに触れ、笑って、泣いて。そうした人間的なことが少なくなってきたなと思うなら、周りに自然ではない現代的要素に取り囲まれていないか注意して下さい。
演劇は自然で人間的です。だから、コミュニケーション能力の欠如だろうが、人前で話すことの悩みだろうが、ここから改善していけます。人間らしさを失いつつある時代だからこそ、根源的に人間的な演劇が威力を発揮するのです。

Solution

ぼくは社会人に対する緊張克服や表現力向上、スピーチ&プレゼン指導などを10年行ってきて、大人になって困っている人がたくさんいることに気づかされました。人前でうまく表現できない悩みやコミュケーションがうまくいかない悩みを一体どれだけの年月抱えてきたのか。お金を払って、ようやく克服し始めている彼らですが、子どもの頃に演劇教育を受けていればまったく違っていたことでしょう。だから、少しでも多くの方が、こども時代に受けられる教育の選択肢の一つにしてあげたいのです。

Ambition

ぼくの目標は、日本中に演劇教育を普及させることです。まずは、受け入れ感度の高い民間の教育機関から働きかけていきますが、ゆくゆくはイギリスのように学校教育の中に演劇が入る時代にしていきたいと考えていますし、ヤマハ音楽教室のようにグロディア演劇教室が日本中に展開されることを夢見ています。また、アメリカや中国では、日本以上に演劇教育への熱が高まっていますので、優れた演劇教育プログラムを海外へ輸出し、海外展開もしていく夢も持っています。

Play

演劇教育のなにがそんなに素晴らしいのでしょう? 演劇は英語でplay。遊びです。遊ぶように自由で創造的で、楽しいものです。人間が最も成長するのは、自由な環境のなかで楽しく創造的に没頭できているときです。演劇にはそれがあるのです。
人によっては、一緒にやりたくない、身体を動かしたくないという人もいるでしょう。それはそれでOK。やりたくなるときがくるかもしれません。そもそも演劇には正解がないので、正しいパフォーマンスをしようと思う必要はありません。なので、思っているよりずっと気楽に輪に入れることでしょう。