ちょっと時間が空いちゃいましたが、先月習志野台幼稚園のほかに、いぬかい良成さんが運営する民間学童保育KOSO Living Labの、英語クラスにもお邪魔しました。
こちらは月曜日にフリーの時間帯があるということで、約50分行いました。
人数は小学校2年生と4年生の12名。通常はオールイングリッシュのクラスがやられているので、日本語で始まるのでちょっと最初は面食らっていました。(でも、ところどころ英語の勉強になるように一部英語を入れました)
今回行ったのは「シアター・イン・エデュケーション」に近い形のもの。(GLODEAでは、8月5日に英国から来日のブリンさんとジェンさんにシアター・イン・エデュケーションのワークショップをやって頂きます)。「近い形」というのは、劇団として訪問するわけでもない小規模なものだからですが、この演劇教育の仕組みはシアター・イン・エデュケーションそのものです。
というのも、観客であるこどもたちが積極的に物語の進行に関わるからです。
まずは、物語が始まる前。
「かわいそうなクラウン」というタイトルのものなので、サーカスのクラウン(ピエロ)が主人公となります。
いきなり物語には入らず、サーカスについて知っていることを答えてもらったり、ピエロやサーカス団長の写真を見せて、どんなことをする人か答えてもらったりしました。
こうした予備学習も大事なんですね。
そして、次に道具箱からピエロのコスチュームや道具を取り出します。
「What is this?」
「What color is this?」
というように、この辺はシンプルな英語の学習も兼ねながら進めていきました。
こどもたち、食いついて見ていますね。
実際に物に触れてみて、使い方を聞いたりしました。
女の子は特に丁寧に説明することが出来ていました。
こうやって、自分のアイディアを出したり、発表するという機会を中盤にもうけているのです。
ジャグリングボールなど、小道具があると、こどもたちは興味を持ちますが、ややもすると、それで自分勝手に遊びだしてしまう子がいるので注意が必要です。
さて、こどもたちには「これから悲しんでいるピエロがやってくるから、助けてあげて」ということを伝え、ぼくは一旦退場します。
さて、ピエロの衣裳に着替えて登場です。
シクシク、エーンエーン。女の子が「どうしたの?」と聞いてくれました。ピエロは、「ぼくはサーカスでピエロをずっとやりたかった。あるとき、ピエロの代わりを探している団長に直談判して、サーカスに出ることが出来たんだけど、お客さんが全然笑ってくれなかったんだ。今晩も笑わせられないとクビになっちゃう。助けて」と。
このようにお芝居と、子どもたちのお助けがドッキングして、子どもたちの関わりによってストーリーが展開することになります。
これがシアター・イン・エデュケーションの良い所。こどもたちが主人公になって、様々なアイディアを出し、俳優がそれに応じることになります。
ですから、俳優側は大変に即興力が必要なんです。ある程度子どもたちのリサーチが出来ていれば、反応も予測できますが、今回はまったくわからない状態で、人数も年齢も不明で、しかもいきなり英語クラスで、こどもたちも知らされていないまま始まったので、かなりアウェーでした。
2年生と4年生というだけでも、かなり反応が違いますし、男の子と女の子というだけでもかなり違うなぁと感じました。
でも、いろいろなアイディアをくれましたよ。「逆立ちして」なんてのもあったから、逆立ちもしましたし、笑いを取る演技が必要なので、超暑いコスチュームに負けずに演じました。
最後は、みんなから出たアイディアと指導の成果を見せます。(ここまで下手に演じていましたけど、ここではうまく演じます)
ピエロは「これなら今晩は大丈夫だ!」と満足して去ることになります。
そうしてぼくはピエロのコスチュームを脱いで戻ってきます。こどもたちに「どうだった?」と聞いて、ピエロが今晩のサーカスでうまくいったはずだという話をして締めくくりです。
もちろんこどもたちは、ぼくがピエロをやっていたことは知っているんですが、そこは受け入れてやってくれていました。シアター・イン・エデュケーションとしてやる場合は、俳優や進行役など、うまく役割分担して進行する必要がありますが、ほぼ一人でもできるバージョンとして今回は行いました。
英語を学んでいる子どもたちなので、もう少し英語を混ぜたかったな、と思いましたが、聞き取って英単語は出せるけれど、会話としてはできないようなので、しょうがなかったかなと。
あとは、こどもたちが興味を持って、サーカスやピエロについて学び、困っているピエロに同情して、いろんなアイディアを出したり、協力し合ったりして、最後ストーリーが大団円になる、というこの作りが非常にいいなと思っています。素材は、イギリスの本から取りましたが、自分でも実践して、つくりがしっかりしているなと思いました。もっともっと日本人に対して実践し、プログラムをブラッシュアップさせていきたいです。