演劇教育家インタビュー第8回 ニューヨークの演劇教育スクール「Child’s Play」代表ジョセリン・グリーンさん

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Jocelyn Greene

「未来のために前進する演劇教育家インタビュー」第8回は、ニューヨークで自身のドラマスクールを立ち上げて活動を広げているジョセリン・グリーン(Jocelyn Greene)さんから、ニューヨークの事務所でお話しをうかがいました。


 

Child’s Play NYについて

Child’s Playは2009年にスタートしました。小規模な指導で、スタジオを借りて1年ほどその場所で活動しました。私は自分つくったカリキュラムにも教師にも自信がありましたので、すぐに広がっていき、別の場所に移りながら今では15のスクールと50のクラスがあります。教師の数は35人から40人いて、クラスを回しています。教室での指導はケースバイケースです。社会的・感情的なものを大事にしています。

演劇のスクールが受け入れられている理由

Child's Play New YorkIQやEQという言葉はある意味流行語ですが、社会的・感情的な成果は売り文句になります。俳優はそうした能力が備わっているとされます。誰かに共感したり、人物を演じたりするのが得意です。学校はこうしたカリキュラムに非常に興味を持ちました。GoogleやAppleといったトップの会社では、学問が得意でないことは問題にしません。人と関わるチームとしての力がなければ価値はないと考えます。最も成功しているといわれる人は人間的に優れていますが、まさにこれらのスキルがあるのです。

共感とコミュニケーションが得意な俳優

私にとっては俳優が最もそうしたことを教えるのに適していると思います。人々に触れ、目標を目指すアシストをしたりできます。わたしたちの実現したい考えとも相まって、多くの方が興味を持ってくれています。

俳優という仕事はそれ自体ブランド的な特別なことです。学校の場合は、共感やコミュニティのなかで振る舞う力も重要です。演劇はそういうことができるわけで、多くの研究結果が私たちの考えをサポートしてくれます。

教師の育成は?

教師の育成に関してですが、私は俳優を起用しています。というのも、机に座らせてやるレッスンではないので、一般の教師よりも子供に対応する力があるのです。また、俳優たちは仕事を得るために忍耐遊びと演劇 コミュニケーション強く生き抜いていますが、多くの人は待機している状態です。そうした俳優たちに仕事を提供できる意味でも良いと思いますし、私たちの学校もそれでうまくいっています。例えば、突然仕事が決まったという人がいても、他の教師たちでカバーしあうことができます。まずはアシスタントから始めて、シニアティーチャーがクラスを主導しながら面倒を見ます。最初は子どもたちと楽しんだりコミュニケーションを取ることが重要で、徐々にリードできるように育成します。シニアティーチャーの弟子のような感じで覚えていくのです。もちろん私が入っていって教えることもあります。このやり方はかなり昔から始めました。

俳優教師

教師のスキルとしては俳優トレーニングと似たところがあり、即興のスキルだったりします。俳優によってはシェイクスピアの経験があったりします。アシスタントで入る俳優たちは平均すると27歳くらいですね。だから、子供がいない人がほとんどです。

彼らは大学出の人や大学院まで行った人、演劇訓練を受けてきた人や中には心理学を学んだりした人もいます。でも私にとって重要なことは、それらのバックグラウンドよりも、週に1時間でいいから生命をもった子どもたちとふれ合うということです。

演劇レッスンの効果を示すこと

インプロクラスやシェイクスピアクラスで子どもたちはアーティストである俳優として見ていますし、ニューヨーク、子供演劇教室にアートを入れることが大切です。確かに心理学や教育学は有効で、それらが横たわっているのもわかっています。Child’s Playでもブログや動画などを通してそうした側面からの効果を紹介しています。リーダースキルだったり、精神的な成長、脳の発達など、保護者の方々は特に注目しています。なぜ、こうした演劇教育が必要なのかということが理解できます。メンタルヘルスの改善やスキルの獲得など、単なる楽しみやゲームを越えた効果があると、ブログや動画で示していくことは私にとってもとても重要です。

レッスンの内容

私のスクールでは、シアターゲームやインプロや、芝居作りなど、それら全てやっています。小さな2~3歳くらいの子どもは、おままごとのような遊びから慣れていき、ミュージカルクラスでは歌をうたニューヨーク ブルックリンで演劇教育スクールを開校ったり踊ったりします。保護者の方も、子どもがミュージカルの一部を演じているのを喜んで見ます。でも基本的にはショーは見せるためではなく、即興的に演じるもので、オープンなものです。7歳くらいから、一つの作品をつくるということもしています。それは台本があり、役をもらい、舞台装置や衣裳もあるものですが、とても刺激的です。「イントゥー・ザ・ウッド」や「チャーリーとチョコレート工場」「マチルダ」など、ライセンスを取っている専用のテキストがあります。11歳以上の年齢の高めの子どもはシェイクスピアや古典作品をやったりもします。

ヴァイオラ・スポーリンのシアターゲーム

ヴァイオラ・スポーリンはもちろん取り入れています。彼女は、あらゆるシアターゲームにインスピレーションを与えた存在です。動画も見てくれたそうですが、そこにある「ドクターゲーム」などのシアターゲームはスポーリンから出てきたものです。教室から生み出されるものもあります。

どうすれば演劇教育が広がっていくか

演劇教育がどういうものか、一般の人に理解してもらうということは重要なことです。なぜ子どもにとってイマジネーションが大事なのか、などを私も動画を通して積極的に訴えています。

エビデンスとして示すという感覚はなく、定量分析ということもしていません。引用するのは難しくない科学的根拠です。子どもたちの楽しそうな様子や成長を保護者の方が感じてもらえることが大切です。個々の保護者の生の声のほうが大事です。子どもたちがより幸せで、より楽しく、より夢中になり、より友達と仲良くなるということが数字よりも強いのです。

こうした子どもに関わる仕事をしていく上では子どもたちを愛すことが必要です。

Jocelyn Greene


ジョセリン・グリーン(Jocelyn Greene)

≪経歴≫
「Child’s Play NY」の創設者で代表者。
ニューヨーク大学で演技を学び、1998年から指導や演出を始める。
ロサンゼルスやニューヨークで様々な演劇活動に関わり、子どもたちへの指導も長年携わってきた。
現在は、俳優、演出家、教育者、経営者、そして母として活動する。

Child's Play New York※写真はウェブサイトより転載

演劇教育家インタビューは自薦・他薦を問わず受付中です

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