演劇教育家インタビュー第12回 俳優・演劇ファシリテーターの伊澤玲さん

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演劇教育家インタビュー

「未来のために前進する演劇教育家インタビュー」第12回は、北区ACT-STAGEにて13年間子どもたちを指導してきた、俳優・演劇教育家の伊澤玲さんにインタビューしました。


 

演劇教育に携わる前まで

今でもですが舞台俳優をしています。初めて入った劇団(北区つかこうへい劇団)で、子どもたちに教えるということを初めて行い、そこから子どもの演劇教育に興味を持つようになりました。

北区の活動は?

伊澤玲ぼくが24のときに北区にある劇団に入って、そこから16年くらい長く関わっています。
内気な子どもを活発にするという目的で、芸能目的や演劇のスキルを上げるというより、いかに子どもたちを活発にさせるかということが基本的なコンセプトでした。そこではダンスだったり、即興劇をみんな作ったりだったり、みんなで遊んだりとか、そういう形でずっとやってましたね。

実際にお芝居をつくったり、シアターゲームをしたり?

そうですね。一年間かけてやるので、前半はみんな知らないもの同士なので、仲良くなるゲームを春先からやって、夏休み明けてから、お芝居作りをやっていくというのが一年の流れです。

子どもたちの課題感や演劇教育で有効だと感じていることは

自分たちの考えだったり、自分たちの思ったことを形にできるということがもっと必要になってくると思います。ただ、ぼくたちが劇団でやってきたことは、ぼくたちがやったことを繰り返してやるとか、台本通りにやるということが多かったのですが、それでは子どもたちの個性がハッキリ見えないと感じました。みんなの発想力や想像力を発揮してもらうようにすると、イキイキしてきました。詰め込み型

伊澤玲

ではなく、みんなの発想力で創っていくというほうがいいなと気づいてきました。

北区以外の活動

文京区の中学校で、教えていますが、そこは7年ぐらいになります。そこも同じように、なるべくぼくのいったことをやるというのではなく、みんなで練習メニューを考えてもらったり、必要に応じてぼくが入っていって、芝居を作っていくという形です。

今後の目指すこと

Palette Worksという団体を昨年立ち上げ、4月よりこども向けの演劇教室をやる予定です。3歳から小学6年生まで幅広く対応し、非認知能力を伸ばす教室として、また感覚統合という感覚を伸ばすカリキュラムを入れて、今準備中です。

近々あるイベント

北区ACT STAGE演劇部での中間発表として、ココキタのスタジオ1にてLGBTQ+をテーマにした話をやります。包括的セクシュアリティ教育が大きなテーマですが、生徒たちのテーマはジェンダーです。あと、もう一人の講師とともに性教育をテーマにディスカッションするという企画を、性教育YouTuberのシオリーヌさんと一緒にやります。

 2021.3/26~28

最後に

北区は本当にお世話になっていて、ぼくが教室をやろうと思ったのも、北区で演劇教育を広げたいと思っているからです。北区教育ビジョン2020というのがあり、教育先進都市北区という目標を掲げています。まだ演劇教育はそれほど普及されていないので、北区でぼくがサポートできればと思っているのが個人的な目標です。

ありがとうございました。


フルバージョンのインタビュー映像は↑から


伊澤玲

2006年、北区つかこうへい劇団に入団。
同劇団解散後、後進であるNPO法人北区AKT STAGEに所属し、2019年に退団。
劇団在籍中、つかこうへい作品、オリジナル作品を問わず多数出演。
また演劇企画集団THEガジラ、演劇集団砂地、早乙女太一公演、pityman、犬と串、ハツビロコウ、Ammoなどにも出演。
俳優としての活動以外にも、児童演劇教育に力を入れ、ファシリテーターとして活動中。
現在は、合同会社Palette Worksを立ち上げ、演劇教育や地域貢献を目的とした活動を実施中。