演劇教育家インタビュー第10回 女優に演出に脚本に、マルチに活躍する小池樹里杏さん

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小池樹里杏

「未来のために前進する演劇教育家インタビュー」第10回は、映画の出演や舞台の演出のみならず、フィリピンでのイベントなども手がける女優の小池樹里杏さんに、演劇教育の取り組みや活動についてうかがいました。


 

どのような活動をされていますか?

小池樹里杏わたしは女優と脚本家、演出家、演劇教育の先生として活動しています。自分自身が表現することとモノを創ることの両方がすごく好きで、どっちもやりたいという思いが一番最初に根本的にあるんですけど、そこから自分が表現することで、地域や世の中の人たちに、どんな風に役に立つ仕事へと結びつくんだろうと思うようになって、教育という点で、演劇教育の先生として活動するようになりました。

演劇教育をどのような経緯でやり始めたのですか? 

元々は演出家として現場をたくさん踏ませていただくようになって、人になにかを伝えたり、教える仕事が「先生」に似ているなと思うようになりました。そこから高校の先生が演出をやっている縁から、演劇の演出家として、文化祭の演劇をどういう風に楽しんだらいいかとか、演劇っていいなと思ってもらえる話を一日授業としてやってほしいとお願いされたのがきっかけだったんです。はじめて高校生のA組からI組まである200人以上の生徒に、簡単なワークショップと、演劇ってこういう風にやるんだよという話をしたら、「これってとっても素敵なことだな」とワークショップを通して感じたんです。

それから演劇教育に関心が強くなりました。親が教育者ということもあり、いろんなことを勉強するようになり、その後は舞台のカンパニーのみんなにも、少しでも演劇教育に近いような教え方で演出するようにもなりました。台本にないことや、集中力を高めるエクササイズなどをやってきました。

J-Journeyという団体について教えて下さい

j-journey 演劇教育企業さんに向けての展示会サービスで、演劇のメソッドを使ったブース作りなどをやり始めたのがきっかけです。そこからto B向けto C向けという形で舞台を創ったり、役者さんのスキルを生かせる環境をつくるためにto B向けに営業に行ったりということを今はやっています。

メンバーの人たちも演劇をやってきた人だそうですね

そうです。演劇教育に興味のあるという人で、これから子どもの教育を一緒にやっていこうという方々です。みんなパフォーマーさんで、舞台の役者さん、ミュージカルの役者さん、ダンサーさん、それから楽曲制作者の方が仲間にいます。みんな、二足のわらじで、夢を追っている人たちです。

小池さんはフィリピンと日本のハーフということですが、フィリピンでの活動もあるのですか?

フィリピンでは、曲を一緒につくるワークショップをやったのが去年で、ボランティアなんですけど、わたしが育った街マニラの、ロザリオ・オキャンポ・エレメンタリースクールで、日本でチャリティーイベントを主催したときに集めた物資を子どもたちに届けるということと、その場で楽曲を作り、レコーディングするということをしました。いつでも曲で繋がり合えるということです。今年もフィリピンに行く予定です。

これからこんなことがしたいとか、こんな風になっていきたいというのはありますか?

今デジタル化が進んで、いろんな人がチャンネルを持てるようになったり、動画の配信をしていくなかで、そういうところに演劇教育や自分たちの表現というものをもっと配信していきたいと思っています。
女優・演出家・脚本家・演劇教育家 小池樹里杏今まではプロの歌手がCDを作って、販売して、それが街中に流れるということでしたが、今は自分自身で好きな曲を聞いてそれが娯楽になっている世の中です。作り手も、誰もがクリエイターになれる時代です。誰でも音楽は作れるという時代になっていると思うんですね。国と国、子どもと大人を繋ぐという、一つのコミュニケーションツールとしてエンターテイメントがそこに存在しているというのを確かに実感しているので、社会とか地域に対して役に立つエンタメっていうのはなんだろうと追い求めながら、これからもやっていきたいというのがわたしの夢であり、ビジョンですね。

いろんなことに挑戦して、夢を追いかけていくということですね

はい。そして絶対に女優という、一番最初に目指した夢も諦めずにやっていって、そうして夢を叶えることで役者さんやパフォーマーさんたちの背中を押していけるんじゃないかと思っています。

 

小池ジュリアンさんと別役慎司


小池樹里杏 こいけじゅりあん

女優として舞台や映画で活動する他、舞台の演出も多数手がけてきた。
「しばいのまち」編集長としても活動し、演劇を身近に繋げる。
J-Journey合同会社を立ち上げ、演劇教育活動をスタートさせる。
出口汪氏の手がける幼児教育教室「出口式みらい学習塾」において、
歌やダンスによるミュージカル教育を2019年より手がける。

J-Journey合同会社